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14年で約700万円失った経営者が、たどり着いた『王道』はインデックスだった

読了 約11分
この記事の目次

私はこの14年、投資の世界をさまよい続けました。雑誌の注目銘柄、雑誌で勧められた投信、ソーシャルレンディング、ロボアド、FX。良さそうに見えるものに、片端から手を出してきた14年です。個別株だけでも、たった2銘柄で約700万円を失いました。そして私の遠回りは、個別株だけでは終わりませんでした。

結論を先に書きます。14年やって私が最後にたどり着いた答えは、低コストのインデックス投資でした。新しい結論ではありません。書店の本棚にも、YouTubeにも、同じ答えが並んでいます。それでも私は遠回りしました。「経営者なら、もっと賢い別の方法があるはずだ」。心のどこかで、そう思っていたのです。

一次情報は、私自身の取引記録です。深掘りはカテゴリ別の子記事に委ね、本稿ではまず14年の全体像を俯瞰します。

14年の遍歴を、ひと目で

まずは時系列です。何を買って、何で失敗し、どこで方針転換したか。表にまとめます。

時期やっていたこと
2012年投資開始。雑誌・投資ブログを参考に、個別株と投信を「なんとなく」買い始める
2013〜2014年頃雑誌で勧められた投信を購入(後述するリート系インデックスもこの頃)。FXを少しかじって即撤退
2016〜2017年頃ロボアドを開始(THEO・ウェルスナビ)。「お任せで世界分散」に憧れた
2017〜2020年頃ソーシャルレンディング4社(maneo/クラウドクレジット/SBIソーシャルレンディング/クラウドバンク)を併用
2020年頃YouTubeで真剣に学習。楽天VTI→SBI・V→eMAXIS Slimへ軸足を移す
2023〜2025年根拠なき個別株・伸びなかったファンドを順次整理。最後にユーグレナを大きく損切り
現在低コストインデックスの積立が主力。高配当株と優待株も保有

並べてみると、迷走の長さがはっきりします。最初の8年で「やってはいけないこと」をひと通り経験し、そこから5年かけて軌道修正した、というのが正直なところです。

5つの失敗カテゴリを、まとめて俯瞰する

ここからは、何で失敗したかをカテゴリ別に整理します。総額の感覚をまず置きます。

失敗カテゴリ損失の規模感残った教訓
個別株(雑誌の注目銘柄)累計で数百万円規模数字の根拠がない銘柄は、長期では負ける
ソーシャルレンディング4社数千万円を投じたが、無事だったのは運だった「大手・有名で安心」は通用しない
ロボアド(THEO・ウェルスナビ)解約時はプラスだが手数料率は重い「お任せ」のコストは想像より大きい
雑誌で買ったリート系インデックス9〜10年保有で損益ほぼゼロ「インデックス」「ノーロード」だけでは足りない。何の指数かが決定的
FX金額的には小さい(約10万円)本業に支障の出る投資は、自分には合わない

カテゴリごとに、要点だけ書きます。各論はそれぞれの子記事で深く扱っています。

個別株:雑誌の注目銘柄で大きく負けた

代表例を二つだけ書きます。

一つはオークファンです。雑誌で注目銘柄として紹介され、買いました。一時は含み益も出ました。しかし長期で見ると、累計で約300万円規模の損になりました。

もう一つがユーグレナです。雑誌の注目銘柄として購入し、ストップ高が続き、含み益が数百万円になった時期もありました。「ミドリムシで世界を救う」という理念に共感し、長く塩漬けにしました。最終的には、2025年10月に約400万円・マイナス70%の損切りで整理しました。これが14年の中で、一番痛い瞬間でした。

ただ、この損切りには続きがあります。ユーグレナを売って戻ったお金を、私は低コストのインデックス投資に入れ直しました。その後、インデックスは順調に値上がりしました。もしユーグレナを塩漬けのまま持ち続けていたら、と考えると——売って入れ替えた今のほうが、結果はよくなったのです。400万円を失った事実は消えません。それでも、こだわって持ち続けるより、痛くても動いたほうがよかった。「変なこだわりより、最善の行動」。それが今の私の合言葉です。

このユーグレナを13年も塩漬けにし、損切りに至るまでの心の動きは、別記事で詳しく書きました

この2銘柄だけで、損失はおよそ700万円。タイトルに掲げた数字は、ここから来ています。そして私の失敗は、個別株だけでは終わりませんでした。

ふく郎

700万円という数字より、もっと痛いのは「何年も塩漬けにしてきた時間」のほうです。お金は取り戻せても、時間は取り戻せません。

ソーシャルレンディング4社:「大手だから安心」の盲点

株の値動きが怖くて、私は「安定した利回り」を求めました。たどり着いたのがソーシャルレンディングです。maneo、クラウドクレジット、SBIソーシャルレンディング、クラウドバンク。「最大手だから」「大手グループだから」と、4社に数千万円規模を投じました。

結果は、ばらばらでした。maneoでは貸し倒れが起き、約130万円の損失。SBIソーシャルレンディングは貸付先の不正に遭いましたが、SBIグループが補填してくれて事なきを得ました。クラウドクレジットは8年あずけて実質ゼロ。クラウドバンクは無事でした。

全体で見れば、お金を大きく失ったわけではありません。けれど、それは運でしかありませんでした。SBIで助かったのは、たまたま体力のあるグループだったから。一歩間違えれば、大きな損失になっていたはずです。「大手・有名で安心」は、投資の世界では通用しない——そう思い知らされました。

→ ソーシャルレンディング4社の顛末は、別記事に詳しく書きました:数千万円を投じたソーシャルレンディングの失敗|助かったのは運だった

ロボアド:解約時はプラス、でも手数料が重かった

THEOは2016年から、ウェルスナビは2017年から使っていました。世界に分散して、自動でリバランスもしてくれる。経営で忙しい身には、ありがたい仕組みに見えました。

解約時、損益自体はプラスでした。それでも私はやめました。理由は手数料です。ロボアドの年率手数料はおよそ1%。これに対して、私がいま積み立てている低コストの全世界株式インデックスの信託報酬は、年率0.05〜0.08%程度です。割合だけ見ると、およそ12〜20倍の開きがあります。

長期で積み上がる差は、想像より大きくなります。私はそれに途中で気づいて、ロボアドからインデックス積立へ移しました。

→ ロボアドを7年運用した詳細は、別記事に書きました:ロボアドを7年運用して、オルカンに乗り換えるまで

雑誌で買ったリート系インデックス:「インデックス」だけで安心していた

初心者の頃、雑誌のおすすめで購入した「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・グローバル・リートインデックス」を、約9〜10年保有しました。最終的な損益はほぼゼロ(約マイナス838円)です。

商品自体は決して悪いものではありませんでした。信託報酬は年率約0.297%と、ノーロードで低コスト。インデックス連動の良質なファンドです。

問題は、別のところにありました。同じ時期に私が持っていた他のインデックスファンド(日経225インデックス、楽天VTI、SBI・V・S&P500など)は、順調に大きく値上がりしていきました。けれど、このリート系インデックスだけは、ほとんど伸びませんでした。

つまり、「インデックス連動」「ノーロード」「ニッセイ」と聞いて、私は安心していたのです。商品の見た目だけで判断して、肝心の「何の指数(資産クラス)に連動するか」を、考えていませんでした。リート(世界の不動産)という資産クラスが、この期間は株式インデックスほど伸びなかった——それだけの話です。

「インデックスだから」では足りませんでした。インデックスを選ぶときも、何のインデックスに乗っかるかは、自分で考える必要があったのです。

FX:本業に支障が出て即撤退

FXは少しかじって、1〜2ヶ月で撤退しました。値動きが激しく、つい一日に何度もスマホで相場を見てしまう。本業の頭の中が、相場のことで埋まり始めた瞬間に「これは無理だ」と判断しました。

経営者として日中にやるべきことは山ほどあります。短期売買は、私の生活と相性が悪い。手を引く判断は早かったと、今でも思っています。

→ FXを即撤退した詳細は、別記事に書きました:FXを1〜2ヶ月で即撤退した経営者の話|事業に集中できなくなる、丁半勝負だった

転機:YouTube学習と「信託報酬」という物差し

5つの失敗を並行して走らせていた頃の私は、要するに「分散」を誤解していました。「いろんなものに少しずつ手を出すこと」が分散だと思っていたのです。実際には、それはただの「散らかった保有銘柄一覧」でしかありませんでした。

潮目が変わったのは、2020年頃です。YouTubeで、投資の入門解説を真剣に追いかけ始めました。

そこで初めて、私は「信託報酬」という言葉の重みを理解しました。同じ指数に連動する投信でも、年率0.1%以下のものと、1%を超えるものがあります。長期では、この差が複利で効いてきます。

歩いた順番はこうです。まず楽天VTIを買い、次にSBI・V・S&P500インデックス・ファンドへ。最終的にeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とSBI・V・S&P500の積立に落ち着きました。商品選びの軸が、「雑誌で見たから」から「信託報酬が安く、中身が分かりやすいから」へ、はっきり変わりました。

参考までに、S&P500の過去10年のリターンは、ドルベース・配当込みで年率およそ10.7%でした(2026年4月末時点)。これはあくまで過去の実績で、将来を約束するものではありません。ただ、長期で世界の経済成長に連れていってもらう、というインデックスの基本思想を、私はこの10年の数字で改めて確認しました。

このブログを始めた経緯は、最初の記事に書いています。

はじめまして、ふく郎です

ふく郎

「信託報酬」という言葉を知ってから、商品の見え方が180度変わりました。これがなかったら、いまも雑誌の注目銘柄を追っていたかもしれません。

結論と、いまの私のポートフォリオ

14年やった私の結論は、低コストのインデックス投資しかありませんでした。これは推奨ではなく、一人の経営者が遠回りの末にたどり着いた、個人の結論です。

いまの私の中身を、隠さず書きます。SBI証券で運用しています。

  • 主力:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と、SBI・V・S&P500の積立
  • 数字で選んだ優良な高配当株(年配当が合計で100万円規模)
  • 株主優待株(家族で外食を楽しむための、ささやかな楽しみ)

「個別株から完全に撤退した」とは、私は言えません。理屈の上では、インデックスに一本化したほうが、おそらく効率は高いはずです。それでも、配当が定期的に入る感覚や、優待で家族と外食する体験には、数字に表れない満足感があります。だから、納得できる範囲で持ち続けています。

完全撤退ではなく、賢く取捨選択した現在地。これが、14年かけて私が落ち着いた場所です。

ふく郎

同じ道を歩く必要は、もうないはずです。私が払った14年分の授業料が、誰かの近道になればうれしいです。

ふく郎

ふく郎のまとめ

  • 個別株はたった2銘柄で約700万円を失った。ソーシャルレンディング・ロボアド・雑誌で買った投信・FX。5つのカテゴリで、ひと通り遠回りをした。大きく負けずに済んだものもあるが、それは運に過ぎない。
  • 最も痛かったのは、ユーグレナの約400万円・マイナス70%の損切り。それでも売って、資金をインデックスに入れ替えた。塩漬けのまま持ち続けるよりは、結果がよくなった。
  • 「大手・有名で安心」も「お任せで世界分散」も「インデックスだから安心」も、入口の安心感と長期の結果は別物だった。
  • 軌道修正の鍵は、信託報酬という物差しを手に入れたこと。雑誌や流行ではなく、コストと「何の指数か」で選ぶ姿勢に変わった。
  • 現在の主力は、低コストインデックスの積立。それとは別に、数字で選んだ高配当株と優待株も持っている。完全撤退ではなく、納得できる現在地。
  • そして、いちばん大きな後悔は、失ったお金より「時間」かもしれない。最初から低コストインデックスに積み立てていれば得られたはずの、14年分の複利。それは、もう取り戻せません。

本記事は2026年5月時点の情報をもとに書いています。制度や運用会社のサービス内容、各投信の信託報酬は変更されることがあります。投資判断の前には、金融庁および各運用会社の公式情報で、最新の内容を必ずご確認ください。

ふく郎
ふく郎

代々続く家業を継いだ40代半ばの現役経営者。近年中に事業を第三者へ譲り、FIREを目指す。 サラリーマンとは違う「経営者視点」のお金の話を、個人資産の実数値を公開しながら発信中。

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